ココヤシの発芽
数年前に石垣島にいったとき、民宿のおじさんがビーチで拾ったココヤシに水やりをすると発芽すると教えてくれた。
ココヤシは熱帯地域に自生しているが、日本には熱帯気候の地域はない。
熱帯気候の定義のひとつは「一番寒い月の平均気温が19℃以上」らしく、八重山諸島や小笠原諸島ですら熱帯ではなく亜熱帯気候になるらしい。
日本の浜辺に落ちているのは黒潮にのって漂着したもので、柳田国男が海上の道を着想するきっかけになったとか。
ともかくあんなダチョウの卵みたいなのが発芽すると聞いていたく感動し、それ以来浜辺を歩くときはひたすらココヤシの実を探していた。
そして、ハワイ島に新婚旅行に行った時ようやく二つばかり入手して持ち帰ったのだった。
一つはハワイ島の露店で、本来はペイントしたヤシの実を売るお土産やさんだったが、ペイント前のネイキッドなヤシの実も置いてあり、交渉の末7ドルという高いんだか安いんだかわからない値段で購入した。
もう一つはハワイ島一周8時間バスツアーのあいだにどこぞの森の中で落ちたてフレッシュなものを発見し、怪しまれながらも懐に入れて持ち帰った。
露店のおばばによると、毎日ソルト&ウォーターをかけると発芽するらしい。
石垣島のおじさんによると、少し埋めるぐらいで半年ぐらい水をかけ続けると発芽するとのことらしい。
というわけで、食卓塩と水道水を7ヶ月ほどこつこつとかけ続けた結果…
発芽した。
わかりづらいので寄せてみる。
わりと唐突に割れ目から白いなにかが出てきた。
少し砂を増やして半埋め気味にしてから割とすぐに発芽した。
春頃は室内、気温が20℃超え始めたぐらいで外の半日陰に放置していた。
めだか観察ついでに時々めだかの水を柄杓ですくって掛けていた。
水掛地蔵を意識するといいのかもしれない。
ハワイ島で泊まったホテルにもココヤシがたくさんあった。
ホテルのものは落ちてくると危険なので、早々に刈り取られてしまうらしい。
ココヤシは凶器となりうるようだ。
ヤシの実を手に入れるならビーチを探すか、露店で探すのがベターだろう。
生態から考えても、一度海を漂って流れ着いた実の方が発芽しやすそうな気はする。
フレッシュ落ちたてのヤシの実は極めて重い。
また馬鹿でかいので、持ち帰るためにスーツケースは半開きで預けざるを得なかった。
さらに、到着したら植物検疫を通す必要があり、結構めんどくさい。
しかしビーチに落ちているのを見つけたらまた拾ってしまうんだろうなあ。