西表島旅行
ニート大学院生は暇なのでブログを書く。
大阪からは関西空港発で南ぬ島(ぱいぬしま)石垣空港へ飛び、そこから離島ターミナルへ移動し高速船に乗る。
1965年にイリオモテヤマネコが発見されたことで有名だが、ヤマネコをなんとなく目撃するのはほぼ不可能らしい。
現地の人によると、赤外線スコープを装着する夜中のツアーだと40〜50%ほどの確率で見られるとか。
ものの本では浦内川の観光船からも目撃例はあるそうなので、諦めずに観察したい。
ちなみにイリオモテイエネコはしばしば目撃する。
離島ターミナルの様子。
空港からはタクシーで2〜30分、だいたい1800円ぐらいだった。
バスという手段もあるが、時間がかかるので移動中の疲労を考えていつもタクシーを使ってしまう。
離島ターミナル内にはやまねこツアーや安栄観光、八重山観光フェリーの受付があり、2、3のお土産物屋さんもあり軽食ぐらいなら摂れる。
ジュース売り場の冷蔵庫に残り一つだったカットマンゴーを発見。マンゴーは7月から8月中旬ぐらいだそうで、そろそろ終わりの時期だった。
昨年に引き続きシーカヤックのまんさくツアーサービスでお世話になった。
高校の部活ばりのストイックなシーカヤック、浜辺で本格的な料理、食後のコーヒーを味わえる。そこらのちゃぷちゃぷマングローブカヤックツアーとは一線を画し、どんな大雨・逆風でもベーリング海のカニ漁師のようなカッパをかぶってツアーを敢行する。
写真はまんさくさんの庭にあったゴバンノアシの種。
調べるとサガリバナ科とのことで花も似ているよう。
絶滅危惧種で、天然記念物に最近指定されたため現在は採取できないようです。
シーカヤックのはずが台風並みの温帯低気圧の影響で、後良川へのマングローブカヤックへ。ヤエヤマヒルギのマングローブ林が続く。
ヤエヤマヒルギの種はまばらで、時期が少し遅かったかもしれない。
カヤック中は時々流れてくるため、漕ぎながらキャッチする反射神経が重要。
浜辺で拾うものより流れてくるもののほうが比較的鮮度が良く、発芽しやすい気がする。
上は恐らく本年に落ちたもの、下は数年経過したもの。
自宅のヤエヤマヒルギ は1年経過しているが、上の写真よりもはるかに生長は遅い。
マングローブ林に堆積している土の養分、気候が重要なんだろうが、大阪で再現は難しそう。今年拾ったものはガイドさんの意見を取り入れて、砂の中に腐葉土を仕込んで植えてみることにする。
マングローブ林を捜索する嫁。
落ちているマングローブの種をボランティアと称して刺しまくっていた。
クバ笠は沖縄本島で購入したものだが、あごひもが柔らかく、それでいてしっかり固定できるため強風の日でも使いやすい。雨が降っても体幹が濡れないため、山歩きには向いていると思う。種を拾いすぎた時は入れ物として使うが、そのあとかぶると頭が砂っぽくなる。
先端が尖っているのは農作業用で、お土産やで売っているものは強度が今ひとつらしい。ウミンチュ用は先端が丸まっており、一つだけ石垣空港のお土産コーナーでみつけたが、あごひもが痛そうだったのでやめた。
本当はウミンチュ用のクバ笠でシーカヤックを漕ぎ、通ぶりたいと思っている。
汽水域でぽつんと刺さっているマングローブの種。
浮かんでいる間に潮が引き、その場に刺さるのだろうか。
もしくはどこぞのボランティアが刺しているのだろうか。
種の形状と、柔らかい土がなければ成り立たない生態。
戦利品。
持ち帰って育てようと思うが、いくつかすでに穴が空いている。
昨年のマングローブはほぼ発芽したが、今年はなかなか難しいかもしれない。
1970年代の沖縄返還前の西表島についてわかりやすく書かれている。
同氏の著作である「西表島探検」とともに帰阪後アマゾンですぐさまぽちった。
古見のサキシマスオウの木群落
国の天然記念物に指定されているらしい。
マングローブ林の辺縁など陸地化されたところにサガリバナ、サキシマスオウの木などを見かけることが多い気がする。
板根が発達し、昔はまな板に使われたとか。
実物を見るとまな板に使いたくなる気持ちがとてもよくわかる。
今回は時期もよかったのか、浜辺でサキシマスオウの木の種を数十個拾うことができた。
サキシマスオウの実の中身。
硬いコルク質の外皮の中に、くるみのような、ニンニクのような白い種が入っている。
嫁が虫を持ち帰りたくない、しかし栽培したいとのことで、宿の縁側でゴリゴリ外皮を割って中身を取り出す作業が課せられた。
カヤック漕ぎより辛かったかもしれない。
マルチツールについてるナイフで種の先端1/3ぐらいのところで輪切りにし、最後は切り切らずに繊維をむしるように剥くと成功率が高かった。
宿には電波がなく(ソフトバンクのみ)、帰ってから調べると縦斬りの方が楽らしい。
何なら外皮に少しだけ穴を開けてそのまま植えてもよかったらしい。
情報から遮断されるのが離島の醍醐味だと自分に言い聞かせた。
オヒルギのたこさんウィンナー。
花のみで胎性種子はみかけなかった。時期的にまだ早いのかもしれない。
マングローブの種は10数個拾ったが、オヒルギの種は一個だけだった。
ネムノキ?にシロアリの巣があった。
ジャングルの中ではもっと巨大化したものもある。
リュックの中に入れていたら持ち物すべてがグアバ臭になった。冷蔵だとそれほど匂いは出ないようだ。皮を剥き、種を採取。
イチジクに近く、実そのものは甘さ控えめだった。
黒糖、梨(たまたまあった)とともに余った赤ワインでサングリアにしてみた。
種はぬめりをしっかり取り、(嫁曰く発芽抑制因子が含まれているとか。)水を吸わせてから蒔く。
冬場は屋内に入れるべきか… 悩む。
さようなら石垣島、また来年…
と思いきや、宿のおじさん曰く12月ごろにはオキナワウラジロガシのどんぐりがぼろぼろ落ちているらしい。
12月といえば3連休がある。天皇誕生日ありがとう。
という訳で、オキナワウラジロガシの(発芽しうる)どんぐり採集のため、12月にもまた来ることにした。
こちらがオキナワウラジロガシのどんぐり。
オキナワウラジロガシは日本最大のどんぐりで、どんぐり好きにはたまらない一品。
始めてその存在を知った時には鳥肌がたったものだった。
一昨年、どんぐりを収集すべくわざわざ秋に石垣島に訪れ、かなり拾えたものの、
未熟なものと、一年前に落ちたが発芽しなかったものしか拾えなかった。
日本最大のどんぐりをフレッシュな状態で拾い、ベランダで育てる。
これが当面の人生の目標といってもいい。
リュウキュウイノシシとの争奪戦になりそうだ。